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坂本龍馬..No12

 長崎にいる龍馬の元に、京の出来事が逐一入ってくる。中岡慎太郎からである。ある日、 参政後藤象二郎が雨に濡れて来て、龍馬に助けを求めた。だが、煮え切らない土佐藩殿様山内容堂の態度に頭を 抱えた。この容堂の態度でどれ程の人が死んだか。武市半平太もその一人である。

 龍馬はおりょうの膝枕で一晩考えた。妙案がある。それは、大政奉還である。将軍に政権を放棄してしまえ、 と持ちかける。早朝、艦艇で沖にいる土佐藩藩船夕顔丸に乗って、後藤と京へ行く。その時の妙案である。この話し を海援隊仲間の文官の長岡謙吉、陸奥陽之助の二人に話した。

 実はこの案は3年も前に二人の人物から聞いた話である。あの当時はこの案が世間に出れば嘲笑を買うし、 今だから成功する可能性がある。将軍慶喜次第である。二人の人物とは、勝海舟と大久保一翁である。どちらも 幕臣と言う点が面白い。

  龍馬は後藤の前で長岡謙吉に草案を書かせた。

  1.  第一策
      天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づべき事
  2.  第二策
      上下議政局を設け、議員を置きて、万機を参賛せしめ、万機よろしく公儀に決すべき事
  3.  第三策
      有材の公卿・諸侯、及び天下の人材を顧問に備へ、官爵を賜ひ、従来有名無実の官を除くべき事
  4.  第四策
      外国の交際、広く公儀を採り、至当の規約を立つべき事
  5.  第五策
      古来の律令を折衷し、新たに大典を選定すべき事
  6.  第6策
      海軍よろしく拡張すべき事
  7.  第七策
      御親兵を置き、帝都を守衛せしむべき事
  8.  第八策
      金銀貨物、よろしく外国と平均の法を設くべき事

 龍馬のこの草案に、土佐藩家老の後藤象二郎がびっくりした。 それもそのはずだった。龍馬は外国の領事や商人に聞いていて、外国の閣議・政治の事まで知っていた。


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